【2026年決定版】ドイツ音大留学の費用はいくら?1€=180円時代のリアルな生活費と隠れコストを全公開

ドイツ音大留学の費用 クラシック音楽

「ドイツの音大は学費が安い」

これは間違いなく事実です。しかし、2026年現在、1ユーロ=180円という歴史的な超円安と現地の強烈なインフレにより、かつてのような「貧乏学生でも余裕で暮らせるドイツ」は過去の話となりました。

 

「結局、トータルでいくら用意すればいいの?」
「円安でも、普通のサラリーマン家庭の資金力でやっていけるの?」

これから渡航を考えている皆さんのそんな切実な不安を解消するため、実際にドイツで学生生活を送り、現在も現地で生活する私が、2026年時点の最新レート(1€=180円)を基に、きれいごと抜きのリアルな費用を算出しました。

結論から言うと、年間約300万円は見ておく必要があります。

 

そんなに高いの!?と絶望した方、安心してください。記事の後半では、私が実践している「為替手数料で数万円損しない方法(Wise)」「置いておくだけで生活費を増やす裏技(Trade Republic)」、そして「学生でも可能なアルバイト事情」など、賢い留学生だけが知っているマネーハックも包み隠さず公開します。

1. ドイツ音大の学費は本当に無料?州によって違う隠れ学費に注意

「ドイツは学費無料」というのが定説ですが、2017年以降、一部の州で「非EU圏の学生(日本人含む)」に対する授業料有料化が始まっています。

 

① 学費が有料の州(バーデン=ヴュルテンベルク州など)

シュトゥットガルト、フライブルク、カールスルーエなどがあるバーデン=ヴュルテンベルク州では、非EU圏の学生に対して授業料を徴収しています。

  • 授業料: 1学期あたり1,500ユーロ(年間3,000ユーロ)
  • 日本円換算: 年間約54万円(1€=180円換算)

これに加え、後述する「学期費」も必要になるため、日本の国公立大学と同じか、それ以上の学費がかかると覚悟してください。

 

② 学費が無料の州(ベルリン、ミュンヘン等)と「学期費」の罠

ベルリン芸術大学、ミュンヘン音大などは、依然として授業料無料です。

しかし、「完全に0円」ではありません。どの大学でも「学期費(Semesterbeitrag)」として、半年ごとに約300〜400ユーロ(約5.4万〜7.2万円)を支払う義務があります。

なんだ、結局払うのか…と思うかもしれませんが、これには素晴らしい特典があります。

 

💡 実録:Semesterticket(ゼメスターチケット)の恩恵
学期費には、通常「Semesterticket」が含まれています。これを持っているだけで、州内の電車・バス・地下鉄が半年間乗り放題になります。私がベルリンにいた頃、普通に定期を買うと月80ユーロ以上かかりましたが、学生なら月換算で50ユーロ程度。しかも範囲が広いので、休日にちょっと遠くの街へ練習しに行くのもタダでした。これは支払いというより「お得な定期券購入」と考えた方が精神衛生上良いです。

2. 【最重要】ビザ取得の壁「閉鎖口座(Sperrkonto)」の金額が爆上がり中

ドイツ留学で最初にぶつかる最大の壁が、学生ビザ(滞在許可)を取得するために必要な「資金証明(閉鎖口座)」です。

ドイツ外務省の規定により、この金額はドイツ政府が認める最低限の生活費として年々引き上げられています。2026年現在、以下の金額が必要です。

 

2026年現在の必要資金額(Sperrkonto)

  • 月額規定額: 992ユーロ
  • 年額(12ヶ月分): 11,904ユーロ

これを現在のレート(1ユーロ=180円換算)で日本円にすると…

約 214万2,720円

つまり、渡航前に約215万円をキャッシュで用意し、ドイツの口座へ一括送金しなければビザが下りないということです。1円でも足りないとビザは発行されません。親御さんへの説得は、まずこの数字を見せることから始まります。

⚠️ 銀行から215万円送ると4万円も損します(体験談)

ここで私の失敗談をお話しします。
最初の留学時、私は何も考えずに日本の大手銀行(某M銀行)の窓口から送金しました。「手数料は4,000円です」と言われ、「まあそんなものか」と思ったのです。

しかし、着金した額を見て愕然としました。計算より4万円近く少なかったのです。
銀行は独自の為替レート(TTSレート)を使っており、市場価格より1ユーロあたり1円〜2円高く設定されています。これが「隠れコスト」です。

今は、すべての送金を「Wise(ワイズ)」で行っています。

送金方法手数料+隠れコスト着金日数
大手銀行約38,000円〜3日〜1週間
Wise (ワイズ)約15,000円前後最短即日〜2日

Wiseを使うだけで、約2万3000円の節約になります。
この浮いたお金で、ドイツ到着後のSIMカード代や、IKEAでの布団一式が買えます。「知っているか知らないか」だけで数万円の差が出るので、渡航前に必ずアカウントを作っておきましょう。

登録方法や送金手順については、以下の記事で画像付きで徹底解説しています。

>> 【2026年完全版】Wiseの使い方・登録・送金まで全解説を読む

3. 【月々の生活費】インフレ下のリアルな内訳と「スーパーの価格」

「閉鎖口座の月額992ユーロ(約18万円)で本当に生活できるの?」

結論から言うと、「自炊を徹底すれば余裕、外食をすると即死」です。1€=180円で計算した、2026年現在のリアルな内訳をご覧ください。

 

項目月額目安(都市部)日本円換算(1€=180円)
家賃(WG/寮)500〜750€9万〜13.5万円
健康保険約125€約22,500円
食費・日用品250〜300€4.5万〜5.4万円
通信費15〜20€約3,000円
放送受信料18.36€約3,300円
練習室・雑費50〜100€0.9万〜1.8万円
合計約950〜1,200€約17万〜21.6万円

現地スーパーのリアルな物価(2026年)

「食費月300ユーロ」が高いか安いかピンとこない方へ。LidlやAldiといったディスカウントスーパーでの実際の価格感をお伝えします。

  • パスタ (500g): 0.89€(約160円)→ 主食にすれば食費は浮きます。
  • 牛乳 (1L): 1.09€(約196円)
  • ビール (500ml缶): 0.49€〜(約88円)→ 水より安いこともあります。これがドイツの良いところ。
  • パン (1kg): 2.00€〜(約360円)→ 黒パンは腹持ちが良いです。
  • ケバブ (Döner): 7.00€〜8.50€(約1,400円)→ 昔は3ユーロでしたが、今はご馳走です。
  • カフェのコーヒー: 3.50€〜4.50€(約700円前後)→ 頻繁に行くと破産します。

音大生特有の「隠れコスト」に注意!

音楽留学生ならではの出費も忘れてはいけません。

  • 伴奏謝礼(Korrepetition): 弦・管楽器や声楽の方は、試験やコンクールのたびにピアニストへの謝礼が必要です。相場は練習1回につき30〜50ユーロ。試験本番はそれ以上かかることも。
  • 楽器のメンテナンス: 弦の張り替え、弓の毛替え、リードの購入。日本より職人さんの工賃(時給)が高い傾向にあります。
  • ドレス・靴: 演奏会用の衣装。現地で買うとサイズが合わないことも多いので、日本から持参するのが吉です。

4. 【裏技】高金利を活用して生活費を「自己増殖」させる

ここまで読んで「お金がかかる…」と溜息をついた方に、朗報です。
ドイツには日本にはない「お金を置いておくだけで勝手に増える銀行」が存在します。

閉鎖口座(Sperrkonto)に入れた大金(約215万円)は、毎月一定額ずつ、あなたの普段使いの銀行口座(Sparkasseなど)に振り込まれます。

この振り込まれたユーロ、そのまま金利0%の口座に眠らせていませんか?

私は受け取った生活費を、使うまでの間「Trade Republic」という口座にプールしています。

🇩🇪 Trade Republic(トレードリパブリック)のここが凄い

  • 金利が年2.00%(※執筆時点、変動あり)
  • 日本の銀行(0.001%)の約2000倍
  • いつでも引き出し可能、口座維持費無料
  • ドイツ政府による預金保護(10万ユーロまで)あり

例えば、日本からの仕送りやバイト代で貯まった1万ユーロ(約180万円)をここに置いておくだけで、年間200ユーロ(約3万6000円)が何もしなくても増えます。

これは、ちょっとした奨学金のようなものです。「投資」をする必要はありません。単なる「高金利なアプリ上のお財布」として使うのが、賢いドイツ在住者の常識になりつつあります。

口座開設の方法や、実際の運用画面については、以下の記事で詳しく解説しています。

5. よくある質問(Q&A)〜バイト・言葉・保険〜

留学費用や生活について、よくDMなどでいただく質問に正直にお答えします。

Q. 学生でもアルバイトはできますか?

A. はい、可能です。むしろ推奨します。
学生ビザでも、年間120日(全日)または240日(半日)までの労働が許可されています。「Minijob(ミニジョブ)」制度を使えば、月額538ユーロ(約9.6万円)までは税金を払わずに稼げます。

 

音大生の定番バイトといえば:

  • 日本食レストラン(Wokなど): 賄いが出るので食費が浮きます!これは大きいです。
  • ベビーシッター: 日本人駐在員の家庭で子供の面倒を見る仕事。時給12〜15ユーロ程度。
  • 教会の演奏: クリスマスやイースターの時期は、1回100〜200ユーロのギャラが出ることも。 

Q. 奨学金は取れますか?

A. チャンスはありますが、アテにしすぎるのは危険です。
有名なのは「DAAD(ドイツ学術交流会)」ですが、世界中から応募があるため非常に高倍率です。その他、ローム ミュージック ファンデーションなどの日本の民間財団は、渡航の1年前から準備が必要です。
入学後に、大学内の成績優秀者向け奨学金(Deutschlandstipendiumなど)に応募するのが現実的かもしれません。

 

Q. ドイツ語が話せなくても生活できますか?

A. 生活はできますが、結果的に「高く」つきます。
ベルリンなどでは英語だけでも生きていけます。しかし、安くて条件の良いアパートの大家さんとの交渉や、役所の手続きは基本的にドイツ語です。
「ドイツ語ができない=足元を見られる(高い家賃の部屋しか借りられない、契約内容がわからず損をする)」という図式があります。
語学学校の費用はかかりますが、ドイツ語をマスターすることが、結果的に一番の節約になります。

 

結論:日本で私立音大に行くより安いのか?

最後に、1ユーロ=180円の円安下における「ドイツ音大留学」と「日本の私立音大」の年間費用を比較してみましょう。

費目ドイツ音大(ベルリン想定)日本の私立音大(一人暮らし)
学費約12万円(学期費のみ)約200万円
生活費約260万円(年14400€)約180万円(月15万)
渡航費・ビザ等約30万円0円
年間合計約302万円〜約380万円〜

ご覧の通り、1ユーロ180円という過酷なレートでも、まだドイツ留学の方が年間約80万円安いという計算になります。
4年間では約320万円の差です。これはグランドピアノ(C3クラス)が1台買える金額です。

まとめ:賢く準備して、夢を叶えよう

ドイツ留学はコストパフォーマンスが良いですが、円安の影響は無視できません。だからこそ、無駄な手数料を払っている余裕はありません。

  1. Wiseを使って送金手数料を数万円節約する
  2. Trade Republicで現地の資産を守りながら増やす
  3. 自炊を徹底し、固定費(家賃)を抑える

この3つを徹底すれば、経済的な不安を最小限に抑えて、音楽に没頭する生活が手に入ります。
音楽の本場で、世界中から集まる才能と切磋琢磨できる環境は、お金には代えられない財産になります。あなたの留学生活が素晴らしいものになるよう、心から応援しています!

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