音楽用語としてよく用いられるdolce(ドルチェ)の意味や使われ方を語源などから徹底解説します。
音楽用語として
ドルチェとは元々イタリア語で、音楽用語としては
「柔らかに、甘く、やさしく」という意味で用いられます。
音楽用語のdolcementeとは同義語です。
またdol.と省略して書かれることもあります。
たまに見かけるdolcissimo(=dolciss.)はdolceの最上級で、大変柔らかく、最高に甘くという意味を指します。
日本語のこの表記だけでは正確なニュアンスが伝わりづらいので、実際にこの言葉がイタリア語においてどのような意味を持っているか解説したいと思います。
イタリア語の意味
dolceの語源はラテン語の甘美な、甘いといった意味を持つdulcisで
甘い、甘美に、やさしい、いとしい、やわらかいなどを意味する形容詞、あるいは名詞です。
イタリアでは恋人や女性に対して褒めたりするときに使ったりもするそうです。
また、ヨーロッパに行くとイタリアンレストランのメニューにデザートを指し示してdolceと書いてあるのをよく見かけます。
このことからも甘いお菓子やデザートを指し示す意味があることもわかります。
イタリア語の例文
Per me cantare è un dolce sollievo.
私にとって歌うことは優しい慰めです。
Il tuo bacio è più dolce del miele.
君のキスははちみつより甘い。
dolce vita
甘い生活
おすすめの音楽用語辞典
dolceを含め重要なイタリア語、ドイツ語、フランス語、英語の音楽用語がばっちり載っている一冊です!
dolceの楽曲上での使用例
ショパンのノクターン作品9-2の冒頭に用いられています。ここではespressivoとdolceが両方併記されています。(楽譜は大昔に出版された著作権切れの楽譜です。)
とても甘美で美しい曲ですよね。
以下からYoutubeでラフマニノフ演奏の9-2を聴くことが出来ます。
どうでしたか。dolceという言葉に対して以前より具体的なイメージが湧いたなら幸いです!
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