- Wiseのアカウント登録から本人確認(eKYC)を確実に突破する手順
- 銀行送金と比較して「いつ」「いくら」安くなるのかの徹底比較
- 実際に送金トラブルが起きた時の対処法と、着金を早める裏技
- 海外在住者がWiseデビットカードを使い倒すための実践的テクニック
海外への移住や留学、あるいは駐在が決まったとき、誰もが直面する最初にして最大の壁。それが「お金の移動手段」です。
日本の銀行口座にある預金を、どうやって現地の生活費として移動させるか?
逆に、現地で稼いだ外貨を、どうやって日本の口座へ戻すか?
かつて、この問いへの答えは「銀行の海外送金」一択でした。平日の昼間に窓口へ行き、難解なSWIFTコードを記入し、数千円の手数料を支払い、着金まで1週間待つ。しかも、受け取ってみれば想定よりも数千円、時には数万円も目減りしている。それが当たり前の世界でした。
しかし、フィンテックの進化により、その常識は完全に過去のものとなりました。その中心にいるのがWise(ワイズ)です。
本記事では、世界中の海外在住者にとって「空気」や「水」と同じくらい必須のインフラとなったWiseについて、公式サイトのヘルプよりも分かりやすく、そして実際のユーザー体験に基づいて徹底的に解説します。単なる使い方の説明だけでなく、なぜ安いのかという仕組みの裏側、Revolutなどの競合サービスとの比較、そして法的な安全性まで、6000文字を超えるボリュームで網羅します。
これを読み終える頃には、あなたは銀行送金という「損」な選択肢を捨て、スマホ一つで国境を越えてお金を操るスキルをマスターしているはずです。
第1章:Wise(旧TransferWise)とは何か? なぜ銀行より圧倒的に優れているのか
まずは、Wiseが革命的だと言われる理由、そして銀行送金との決定的な違いについて、仕組みの面から深掘りしていきます。ここを理解することで、あなたは「安さ」への不安を払拭し、自信を持ってサービスを利用できるようになります。
1. 「隠れコスト」を撤廃した透明性
銀行送金を利用したことがある方は、こんな経験がないでしょうか。「手数料は2,000円」と書いてあったのに、実際に送ってみたら受け取り額が計算より5,000円も少なかった、という経験です。
これには「為替スプレッド(為替手数料)」というカラクリがあります。
銀行は、ニュースなどで報道される「1ドル=150円」という市場レート(仲値・TTM)では両替してくれません。そこに銀行の利益として1円〜3円程度を上乗せした「1ドル=152円(TTS)」などの独自レートを適用します。これが隠れコストです。
一方、Wiseは「ミッドマーケットレート(実際の為替レート)」をそのまま採用します。Google検索で「1ドル 何円」と検索して出てくる数字そのものです。そこに、送金額に応じた透明な手数料(例えば0.6パーセントなど)だけがかかります。
一般的な大手銀行:
送金手数料:4,000円
為替コスト:約15,000円(1ユーロあたり2.5円上乗せと仮定)
中継銀行手数料:約2,500円
合計コスト:約21,500円
Wise:
送金手数料:約6,500円(変動あり)
為替コスト:0円
中継銀行手数料:0円
合計コスト:約6,500円
→ 差額:約15,000円の節約!
2. 国境を越えない「バケツリレー」の仕組み
なぜWiseはこれほど安く、そして速いのか? その秘密は「実際には国際送金をしていない」という点にあります。
例えば、あなたが日本からアメリカのAさんへ100万円を送るとします。
- あなたは、Wiseの日本国内の口座(PayPay銀行や三菱UFJ銀行など)へ100万円を振り込みます。
- Wiseは、その入金を確認します。
- Wiseは、自社が持っているアメリカ国内の口座から、Aさんの口座へドルで同額を振り込みます。
つまり、あなたのお金は日本国内で動いただけ、Aさんのお金はアメリカ国内で動いただけです。国境を越える際にかかる高額な中継銀行手数料(コルレス手数料)が発生しないため、圧倒的な低コストとスピードを実現しているのです。これが「マッチング」と呼ばれるWise独自のバケツリレーシステムです。
3. 法的な安全性と資金保全
「ベンチャー企業にお金を預けて大丈夫なのか?」という不安を持つ方もいるでしょう。
Wiseは、イギリスの金融行動監視機構(FCA)の認可を受けており、日本では関東財務局長(金商)第44号として第一種資金移動業者の登録を受けています。
重要なのは、ユーザーから預かった資金は、Wiseの運転資金とは完全に分離され、保全されているという点です(セーフガーディング)。万が一Wiseが破綻した場合でも、預けた資産は債権者に渡ることなく、ユーザーに返還される仕組みが整っています。銀行預金のような利息はつきませんが、資金移動業者としての安全性は銀行と同等レベルで担保されています。
第2章:登録の準備と必要書類(日本在住者 vs 海外在住者)
Wiseのアカウント作成で最も多くの人がつまずくのが、本人確認(KYC)のプロセスです。あなたが「今どこに住んでいるか」によって、提出すべき書類がガラリと変わります。ここを間違えると審査に落ち、再提出の無限ループに陥ります。
パターンA:日本在住で、これから渡航する人(推奨)
あなたがまだ日本にいて、住民票も日本にあるなら、今すぐ登録してください。これが最もスムーズで、機能制限もありません。
必要なもの:
- マイナンバーカード(これがあればスマホ一つで即完結します)
- マイナンバーカードがない場合:通知カード + 顔写真付き身分証(運転免許証、パスポート2020年以前発行のものなど)
日本居住者として登録することで、Wiseデビットカードの発行(日本住所へ配送)や、日本円残高の保有機能(チャージ)などがフルに使えます。
パターンB:すでに海外に移住し、住民票を抜いた人
すでに海外にいて、日本の住民票を除票している場合、「非居住者」として登録する必要があります。この場合、マイナンバーは原則不要ですが、マイナンバーを持っていない理由として「非居住者であること」を申告します。
必要なもの:
- パスポート(顔写真ページ)
- 海外の住所確認書類(以下のいずれか)
- 公共料金(電気・ガス・水道・固定電話)の請求書(3ヶ月以内のもの)
- 銀行またはクレジットカードの利用明細書(Statement)
- 現地の運転免許証(住所記載があるもの)
- 住民登録証(Residence Permitなど)
海外の住所確認書類において、「PO Box(私書箱)」は認められません。必ず居住実態のある住所が記載されている必要があります。
また、書類は「発行日」「氏名」「住所」「発行元」が1枚の画像で鮮明に読み取れる必要があります。端が切れていたり、光が反射していたりすると即座に却下されます。
第3章:【完全図解】Wiseアカウント登録から送金までの4ステップ
それでは、具体的な操作手順をステップバイステップで解説します。スマホアプリ(iOS/Android)での操作を前提に進めます。
Step 1:アカウント開設とプロフィール入力
- Wiseのアプリをダウンロードし、「登録(Register)」をタップします。
- メールアドレスを入力し、アカウントの種類(個人)を選びます。
- 居住国を選択します。ここは正直に、現在住んでいる国を選んでください。
- 電話番号を入力し、SMSで送られてくる6桁の認証コードを入力します。
- パスワードを設定して完了です。
Step 2:最初の送金設定(本人確認のトリガー)
本人確認は、最初の送金手続きの途中で行われます。
- ホーム画面の「送金(Send)」をタップします。
- 送金額を入力します(例:10万円)。通貨はJPYからEUR(ユーロ)などを選びます。
- 「続行」をタップし、個人情報(氏名、生年月日、住所)を入力します。日本語の住所の場合は、英語表記での入力が必要になる場合があります。
Step 3:eKYCによる本人確認
ここが最難関です。画面の指示に従い、カメラへのアクセスを許可してください。
- 書類の撮影: 用意した本人確認書類(マイナンバーカードやパスポート)を、枠内に収まるように撮影します。表面、厚み、裏面の3方向からの撮影を求められることがあります。
- セルフィー(自撮り): 自分の顔を撮影します。画面の指示に従って首を傾けたり、枠内に顔を近づけたりする生体認証(Liveness Check)が行われます。
日本でのマイナンバーカード登録の場合、AIによる自動審査が通れば数分〜数時間で完了します。
海外書類での登録や、画像の不備などで目視審査に回った場合、2〜3営業日かかることがあります。急ぎの送金がある場合は、余裕を持って登録しておきましょう。
Step 4:送金先情報の入力と入金
審査が完了したら、中断していた送金手続きを再開します。
- 受取人の選択: 「自分自身(海外の自分口座)」か「その他(家賃や友人)」を選びます。
- 口座情報の入力: ヨーロッパならIBANコード、アメリカならルーティングナンバーと口座番号を入力します。
- 送金目的の選択: 「生活費」「自分の口座への資金移動」など、適切なものを選びます。
- 入金方法の選択: Wiseへの支払い方法を選びます。
- 銀行振込(Bank Transfer): 最も手数料が安くおすすめです。
- デビットカード: 即時反映されますが、カード手数料が上乗せされます。
- 振込の実行: 銀行振込を選ぶと、Wiseの日本国内口座情報(PayPay銀行〇〇支店など)が表示されます。自分の銀行アプリを開き、その口座へ指定金額を振り込んでください。
- 完了通知: アプリに戻り「振込を行いました」ボタンをタップします。あとは着金を待つだけです。
第4章:海外生活を激変させる「Wiseデビットカード」の活用術
Wiseは単なる送金アプリではありません。マルチカレンシー口座(多通貨口座)と、それに紐付くデビットカードこそが、海外在住者にとっての真の価値です。
1. 両替の概念がなくなる魔法のカード
Wiseデビットカード(発行手数料1,200円・年会費無料)を持っていれば、口座内にある50以上の通貨を、その時のレートで手数料なしで決済に使えます。
例えば、あなたが日本円で10万円、ユーロで500ユーロをWise口座に持っているとします。
- ドイツのスーパーで買い物をする → 自動的に「ユーロ残高」から引かれます。 手数料はゼロです。
- 日本へ一時帰国し、コンビニで買い物をする → 自動的に「日本円残高」から引かれます。 これも手数料ゼロです。
- アメリカへ旅行に行き、ドルで買い物をする → ドル残高がなければ、最もレートの良い通貨(例えばユーロ)から、その瞬間の格安レートで自動両替されて決済されます。
つまり、どの国に行っても「現地のカード」として振る舞うことができるのです。
2. 海外旅行時の「現地通貨キャッシング」最強説
Wiseカードを使えば、海外のATMで現地通貨を引き出すことができます。
月に2回、合計3万円相当額まではATM利用手数料が無料です(Wise側の手数料)。現地の空港で高い両替所に並ぶ必要はもうありません。到着ロビーのATMでサクッと現地通貨を手に入れましょう。
Wiseの手数料は無料でも、現地のATM設置銀行が独自の手数料(Access Fee)を徴収する場合があります。画面に「Fee: 5 EUR」などと表示された場合は、別の銀行ATMを探すか、手数料の安い銀行を事前に調べておくことをお勧めします。
3. バーチャルカードでセキュリティ強化
物理的なプラスチックカードとは別に、アプリ上で「バーチャルカード(デジタルカード)」を無料で3枚まで発行できます。
物理カードとは番号が異なるため、海外の怪しい通販サイトや、一度切りの支払いで使う際に便利です。万が一情報が流出しても、アプリからそのバーチャルカードを即座に「凍結(Freeze)」または「削除」すれば、メインのカードや口座残高は守られます。
第5章:Revolut(レボリュート)やPayPalとの徹底比較
「Wise以外にも似たようなサービスはあるけど、どっちがいいの?」
よく比較されるRevolut、そしてPayPalとの違いを整理します。
Wise vs Revolut
- 送金(Wiseの勝ち): 海外口座への送金に関しては、Wiseの方が対応通貨が多く、手数料体系も透明で安価な傾向にあります。特にSWIFT送金が必要なマイナー通貨への送金はWiseが圧倒的に強いです。
- 両替(Revolutの勝ち): 平日の為替市場が開いている時間帯であれば、Revolutは一定額まで「手数料無料」で両替できます(Wiseは常に手数料がかかる)。頻繁に両替を繰り返すトレーダー気質の方はRevolutが有利です。
- 結論: 「海外送金」がメインならWise、「日々の少額決済・両替」ならRevolut。 多くの海外在住者は両方の口座を持ち、使い分けています。
Wise vs PayPal
- 手数料(Wiseの圧勝): PayPalは「買い手保護制度」などの安全性は高いですが、為替手数料が非常に高い(3〜4%上乗せされることが多い)です。10万円の送金で数千円の差が出ます。
- 普及率(PayPalの勝ち): オンラインショッピングの決済手段としてはPayPalが圧倒的ですが、個人間の資金移動や生活費の送金にPayPalを使うメリットは、現在ではほぼありません。
第6章:よくあるトラブルと解決策(Q&A)
Wiseを使っていて遭遇するトラブルと、その解決策をまとめました。
Q1. 入金したのにWiseに着金しません。なぜですか?
A. 最も多い原因は「振込依頼人名の相違」と「振込IDの入力忘れ」です。
Wiseのアカウント名(本名)と、振込元の銀行口座名義は完全に一致している必要があります。家族名義の口座から振り込むと、入金は拒否され、返金手続きが必要になります。
また、振込時に指定された「Pから始まる会員番号(振込ID)」を振込依頼人名の前に入力し忘れた場合、自動照合ができず手動確認となり、反映が遅れます。
Q2. 住所確認書類がリジェクト(却下)され続けて困っています。
A. 書類の「四隅」が写っていますか?
スキャン画像ではなく、スマホで撮影した写真を送る際、書類の四隅が少しでも切れているとAI審査で弾かれます。机の上に書類を置き、背景が少し写り込むくらいの引きの画角で撮影してください。また、光の反射で文字が白飛びしていないかも確認してください。
Q3. 高額送金(100万円以上)をする場合の注意点は?
A. SWIFT送金になるケースと、本人確認の再提出に注意。
日本から100万円を超える送金をする場合、法規制により通常の国内振込(PayPay銀行への入金)が使えず、SWIFT送金専用の口座への振込が必要になる場合があります。また、高額送金時は「資金の源泉(給与明細、通帳のコピー、不動産売却証明書など)」の提出を求められることがあります。
Q4. Wiseの口座にお金を入れっぱなしにしておいても大丈夫?
A. 生活費程度ならOKですが、全財産を入れるのは推奨しません。
前述の通り、Wiseは銀行ではないため、預金保険制度(ペイオフ)の対象外です。万が一の破綻時は保全資金から返還されますが、銀行ほどの迅速な保護プロセスではありません。また、利息もつきません。あくまで「移動用」「決済用」の財布として使い、貯蓄は銀行口座で行うのが賢い使い方です。
第7章:体験談・ユーザーの声
実際にWiseを利用している海外在住者のリアルな声を集めました。
体験談1:ドイツ在住フリーランス(30代男性)
「日本のクライアントからの報酬受け取りにWiseを使っています。以前は日本の銀行で受け取ってからドイツへ送金していましたが、今はWiseのマルチカレンシー口座の『日本円口座情報』をクライアントに伝え、直接そこに振り込んでもらっています。国内振込扱いなのでクライアントの手数料も安く、私は着金した円を好きなタイミングでユーロに変えられる。為替リスクを自分でコントロールできるのが最高です。」
体験談2:イギリス留学中の学生(20代女性)
「渡航直後、現地の銀行口座(Lloyds Bank)を開設するのに住所証明が必要で、1ヶ月近く待たされました。その間、日本で作っておいたWiseカードが命綱でした。タッチ決済で地下鉄もスーパーも乗れるので、現金をほとんど使わずに生活の立ち上げができました。現地の銀行ができた今も、Wiseは割り勘アプリとして友人間で使っています。」
体験談3:アメリカ駐在員の妻(40代女性)
「夫の給与はドルですが、日本に残した住宅ローンの支払いや、子供の通信教育費で毎月日本円が必要です。Wiseの『オートコンバージョン(自動両替)』機能を使って、『1ドル=150円になったら自動で両替する』設定にしています。レートを毎日チェックするストレスから解放されました。」
第8章:まとめ。Wiseは海外生活の「自由」を手に入れる鍵
長くなりましたが、Wiseを使うべき理由を3つに集約します。
- 圧倒的なコスト削減: 銀行送金の最大8分の1の手数料。
- スピードと利便性: スマホ完結、最短数秒での着金。
- ボーダレスな生活: 世界中どこにいても、複数の通貨を自由に操れる。
海外生活は、予期せぬトラブルや出費の連続です。そんな中で、「お金の移動」に関するストレスがゼロになることの恩恵は計り知れません。
まだ銀行送金を使っている方、あるいはこれから渡航される方は、ぜひ今すぐにWiseのアカウントを作ってみてください。最初の登録さえ乗り越えれば、そこには国境を感じさせない、自由なお金の流れが待っています。
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免責事項
本記事に掲載されているWiseのサービス内容、手数料、登録要件、および為替レートに関する情報は、2026年1月時点の執筆者による調査および実体験に基づいています。Wise社のサービス仕様や各国の金融規制は頻繁に変更される可能性があります。
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